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【百人一首】ちはやふる本当の意味は恋の枕詞?by在原業平【ちはやぶる】

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「ちはやふる」「ちはやぶる」という単語…なんとなく聞いたことあるけど、どういう意味でしょうか?

  • 小倉百人一首の知識がある人は、在原業平の一句として
  • 落語好きなら、古今亭志ん生が得意とする演目として
  • 漫画やアニメ好きなら『ちはやふる』という作品として
  • 広瀬すずが好きなら映画「ちはやふる」として
  • Perfumeが好きなら『レーザービーム』という曲の歌詞で

和の香りがする単語ですが、本当の意味を知らなかったので徹底調査してみました。

 

結論としては、ちはやふるの意味は「荒々しい」「勢いがある」などですが、和歌の中ではリズムを整える「枕詞」としての機能を持っています!

実際に恋に関する歌でも使われており、特別に深い意味はないようす…?

 

今回のブログ記事では、「ちはやふる」の意味について、和歌やアニメを交えながら雑学的に解説していきます。

 

★和名について、関連記事も合わせてどうぞ↓

▶【昔の言い方】スプーン/フォークって日本語では何という?和名は突き匙?

ちはやふる(ちはやぶる)とは何?

「ちはやふる・ちはやぶる」って、現代語では使いませんよね。

 

元々は、「いちはやぶ」という動詞が語源

「いちはやぶ」の意味は、荒々しくふるまうこと。

 

この動詞が、連体修飾語に変化して「ちはやぶる」という言葉ができたようです!

 

ちはやふるの意味は「荒々しい」?

ちはやふるの意味を、新編日本古典文学全集で見てみます。

  • 荒々しい
  • 勢いがある

これが「ちはやふる」の意味ですが、一部の情報では「長い年月を経たもの」「神々しいさま」といった解説もありました。

 

万葉集や古事記の和歌でも使われている

「ちはやふる」という言葉は、万葉集や古事記の中でも「勢いがある」「荒々しい」という意味合いで使われています。

 

古文や古典には詳しくないので詳細は説明できませんが、

どのような使い方をされていたのか、簡単な現代語訳で紹介してみます。

 

万葉集

ちはやぶる金の岬を過ぎたけれど、私は忘れない。志賀の水神様のご加護を。

 

→金の岬というのは、荒々しい難所だったのでしょう。

 

古事記

その国造(くにのみやつこ)が、ヤマトタケルを欺いて「この野の真ん中に沼がある。沼に住む神様は、ちはやぶる神なのです」と言った。

 

→荒々しい神様がいる、と脅かしたものと思われます。

 

百人一首で在原業平が詠んだ枕詞・ちはやぶる【恋の意味はある?】

小倉百人一首で有名な在原業平の和歌を紹介します。

 

  • ちはやぶる神代もきかず竜田川、からくれなゐに水くくるとは
  • ちはやぶる神代も聞かず竜田川、唐紅に水くくるとは

このように書かれます。

 

読み方(ひらがな)

ちはやぶる かみよもきかず たつたがわ からくれないに みずくくるとは

 

意味を現代語訳すると…

「神代の昔にも聞いたことがない。竜田川の水の流れを深紅にくくり染めにするとは」

 

このように、川の流れに深紅の紅葉が流れている情景を表現しています。

そこから、恋に身を焦がす情歌として解釈されることもあります。

 

「激しい水の流れを流れる真っ赤な紅葉のように、私の激しい想いは、今でもあなたを愛しています」

 

「ちはやぶる」は枕詞で、恋愛の意味はあまりない

この在原業平朝臣の和歌の中では、「ちはやぶる」という言葉に具体的な意味はありません。

 

枕詞(まくらことば)って中学校で習いましたよね。

和歌において、特定の語を導くために使われる言葉で、五七調リズムを整える働きをするものです。

 

ちはやふる(ちはやぶる)の後には、

  • 神代
  • 神無月
  • 宇治
  • 伊豆

などの言葉が続くようですね。

 

在原業平の場合は、「ちはやぶる→神代」と使われていました。

 

枕詞には「明確な意味はない」のですが、荒々しくて勢いがあるさまは、ある意味では「竜田川」にかかっているのかもしれませんね。

 

古典落語「ちはやふる」という演目がある

私は落語にも詳しくないのですが、どうやら「ちはやふる」という演目があるようですね。

割と有名みたいです。

 

古今亭志ん生(5代目)が得意とした演目で、

先ほどの在原業平の和歌をもじって、ダジャレのように物語を作り出す話のようです。

 

マンガ・アニメ・映画化の「ちはやふる」

少女漫画で大ヒットした「ちはやふる」という作品も有名です。

マンガ好きの私は、もちろんチェック済。

百人一首に興味がない人でも、楽しく読めます!

 

主人公の名前が、千早(ちはや)。

かるた、百人一首の腕をぐんぐんと伸ばしていく、青春物語ですね。

 

百人一首を題材にしている漫画ということで、日本文化の観点からも話題に上がることが多く、早い段階でアニメ化・映画化がされました。

広瀬すずちゃんが、初主演をした映画ということでも注目を集めました。

 

作品中で語られる「ちはやふる」の意味

ちはやふるの作品中でも、意味が語られています。

 

↓↓

ちはやぶるという言葉には諸説あるけれど、「ちはやぶる」と「荒ぶる」を比較すると分かりやすい。

 

両方とも神のような力を表現していますが、「荒ぶる」のが激しく悪い神の力だとするなら、「ちはやぶる」のは正しくて清らかな神の力。

どちらも勢い強いことを表すが、性質が違う。

 

荒ぶるのが激しく荒々しい回転だとするなら、

ちはやぶるは高速回転するまっすぐな軸のコマ。

 

何が触れてもはじき返される安定した力で、まるで止まっているかのように見えながら、偏りなく力が集中している状態。

 

 

このように主人公の千早に教えてくれる友人が登場します。

(名前は忘れてしまった…)

 

主人公「ちはや」のイメージとぴったりです。

題材と作品名が素晴らしく、これだけの大ヒットになったのだと思います!

(もちろん、青春物語としても面白いけど)

 

個人的には、「のだめカンタービレ」と同じような感想。

サラっと読めて、面白かったです!

もう数年たつので、中古ならかなり安く買えますね。

 

【まとめ】ちはやふるの意味は”荒々しい”恋の歌にも使われる!

今回のブログ記事では、「ちはやふる」「ちはやぶる」という言葉の意味について解説してきました。

 

要点をまとめると、以下の通り。

  • ちはやふるの意味は「荒々しい」「勢いがある」
  • 古事記、万葉集、百人一首で使われていた古語
  • 枕詞として使われた在原業平の和歌が有名
  • マンガ、アニメ、映画「ちはやふる」が大ヒット

 

私も小学生の時に小倉百人一首をやってました。

当時は意味も分からずに、かるた遊びとして取り組んでいましたが、改めて見ると素敵ですね。

 

【ちはやぶる神代も聞かず竜田川、唐紅に水くくるとは】

 

情景を詠んでいるようで、愛する人への想いを表現する。

まさに、日本人的な感覚。

 

マンガやアニメや映画は、百人一首を知らない人でも楽しめる物語になっています!

サラっと読める青春物語ですが、ちょっとは勉強になるので、親が子供に読ませたい漫画としても注目されているみたいですよ。笑