「スプーン」も「フォーク」も、現代日本では、日常的に使う単語ですし、日常的に使っている食器ですね!
- スプーン・フォーク・ナイフって日本語ではなんていう?
- 英語が入ってくる前…昔の言い方は?
- 清少納言の頃からスプーンを使ってた…和名は?
このような疑問を、ブログ記事にまとめました。
当然ながら、スプーンもフォークも、和名(日本語名)があります。
普段、何気なく使っている洋風なカラトリーの呼び方ですが、今回のブログ記事ではそれらの日本語名・昔の呼び方について、詳しく解説していきたいと思います☆彡
日本人なら、知っておかないとネ(‘ω’)♪
★昔の日本語についての豆知識、こちらもどうぞ↓
▶【百人一首】ちはやふるの本当の意味とは?枕詞で「荒々しい」by在原業平
スプーンの日本語は?昔はなんと言っていた?
スプーンの日本語名(和名)は、「匙(さじ)」です。
昔は、日本人はみんなスプーンのことを「さじ」と呼んでいたんですね!
おばあちゃんが調味料を量る時に「お匙」と言ってるのは聞いたことないでしょうか!?(私は、ないのですが…汗)
ちなみに、
- 大匙1杯
- 小匙1杯
↑こういう言い方は今でも生き残っていますネ!
でもなぜか「スプーン大匙1杯」という使い方をすることもあるような…(^▽^;)笑
ちなみに、明治時代に洋食とともに「スプーン」という呼び方がやってきて、大正・昭和時代から使われるようになったとか。割と最近ですね!!
匙の歴史自体は長い!?
お匙(スプーン)自体は、江戸時代から一般的に使われていました!
もともと、江戸時代のお医者さんが薬(粉薬かな?)の量を図るためにスプーンを使っていたためです。
江戸時代ではお医者さん自らが薬を調合しており、主に薬を用いて病気の治療を行ってました。
医者として有名な杉田玄白さんくらいの時から使ってたのかな?
また、後述しますが、旧石器時代から「スプーンやフォークやナイフっぽい食器類」は出土しています!思いつくことは同じですね!!
匙を投げるって慣用句もありますね
お医者さんが完治できない患者さんをもう診られない・治療はこれ以上できない・診るのを諦める…そういう意味合いで「匙を投げる」という慣用句ができました。
語源は、薬の量を量るために使っていた「薬匙(やくさじ)」です。
病気を治すための薬の調合がうまくいかずに、救済や解決の見込みがないとして「匙を投げてしまう」のですね。
当時は今よりも医学が発達していなかったので、よく「匙が投げられていた」のかもしれませんね…。
フォークの日本語は?昔はなんと言っていた?
フォークの日本語名(和名)は、「突き匙」もしくは「肉叉」と呼ばれていました。
これは、全然聞きなじみがない…!!
スプーンと違って、フォークは洋食の伝来とともに広く伝わってきたと言われています。
そのため、そもそもフォークという洋風の名称ありきで広まり、あまり和名にはなじみがないのかもしれません。
突き匙の読み方は?
突き匙は、「つきさじ」と読みます。
スプーンの日本語名(和名)である「匙(さじ)」の、「突き刺すバージョン」ということでしょうか。
「突き匙」という漢字を見るだけで、それってフォークのことかな?と予想できる人もいますよね。それが日本語のスゴイところ!!
肉叉という言い方もある
突き匙ではなく、もう一つ別の言い方で「肉叉(にくさ)」という日本語名もあります。
これは、そのままの【肉を刺す】という意味から「肉叉(にくさ)」と呼ばれています。
肉叉の【叉】は「1本のところから2本に分かれて出ている」という意味です。
ちなみに、フォークは元々肉をカットするときに刺すだけ(!)の道具だったみたいです。食べ物を口に運ぶものではなかったみたいですよ。
ナイフ:日本語での呼び方は?
さらに、洋食食器の1つであるナイフの日本語名(和名)は…?
これはシンプルで、ナイフは「小刀(こがたな)」と呼ばれます。
刀とはまた、ちょっと物騒なカンジがしますね…汗
ステーキを食べるときに「ちょっとそこの小刀とって~」とは、今の日本人は言わないですね。笑
そういえば、食事用のナイフだけでなく、料理用の「包丁」も英語では「ナイフ」と呼ばれますネ。同じなんだ…!!
英語名が入ってきたのは最近だが、スプーンは旧石器時代から使われてた!
ここまで、スプーン/フォーク/ナイフが昔は日本語で何と呼ばれてたか、紹介してきました☆彡
これらの食器を総称しては「カラトリー」とも呼びますし、完全に英語名が浸透していますね。
でも実は、日本では旧石器時代から食器として使われていました。
洋食が日本に到来してからではないです!
その証拠として、旧石器時代の埋蔵品から、「木製の匙」が出土されていたりします。
(旧石器時代は、今からなんと約3万8千年前~1万6千年前のこと。縄文時代よりもっと前の時代…。マンモスがいる氷河期くらいですって!)
縄文時代の遺跡からは、石匙(いしさじ)が発見されています。
ちなみに、日本に文字記録として残っているのは、6~7世紀頃からです。
平安時代よりも前である飛鳥時代です。
清少納言も金属製のスプーンを使っていた
『枕草子』で有名な清少納言が「金属の匙と食器がぶつかってカチカチと音がする。いとおかし」と書いています!
宮中では平安時代から金属の匙(スプーン)が使われていたということです。
ず~っと前から使われていたことに、驚きです!
それにしても「金属の匙と食器がぶつかってカチカチと音がすること」に情緒を感じるとは…清少納言のセンス!!
分からなくもないけれど、現代西洋のマナー的には「あまり音を立てないこと」と注意されてしまうようなことですね(^▽^;)
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【まとめ】スプーン/フォーク/ナイフの昔の呼び方も知っておいてあげよう!
今回のブログ記事では、すっかり英語名で定着している「スプーン・フォーク・ナイフ」について、「昔の言い方」「日本語で何と言うか」を紹介してきました!
要点をまとめると、以下の通り。
- スプーンは匙(さじ)
- フォークは突き匙・肉叉(つきさじ、にくさ)
- ナイフは小刀(こがたな)
あまり知らないこともあって、豆知識として面白いですね!
スプーン、フォーク、ナイフは、当時使われていたものからそれほど形状が変化していません。
昔に作られた時点で、何百年も人類が使えるほどの形状まで設計されていた…!!そう思うと、作った先代の方たちに拍手を送りたいですし、なんだか歴史にロマンを感じたりもします!
これからも、あまり日本語名(和名)では呼ぶことはないかもしれません。
しかし、「お匙」「突き匙」「小刀」という和名があるということを雑学・知恵袋として覚えておいてあげましょう!!日本人ですからね^^
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