「我以外皆我師」という言葉を知っていますか?
自分以外はすべてが師匠だと思って生きるべし、という意味の名言ですね。
- 我以外皆我師の読み方は?
- 誰の名言?
- 宮本武蔵の言葉ではない?
- 「万事において我に師匠なし」と違う?
今回のブログ記事で、情報をまとめました。
この素晴らしい名言は、文化勲章を受章された、作家の吉川英治さんが『宮本武蔵』という作品中で主人公に語らせたセリフです。
周りの全ては先生だという謙虚な学ぶ姿勢を忘れずに、ブログ記事を書いてみました。
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我以外皆我師の読み方と意味は?吾以外皆吾師とも
初歩的なことですが、一応、読み方と意味を紹介しておきます。
「我以外皆我師」だと、漢語、中国語みたいですよね。
読み方は「われいがいみなわがし」です。
文字通り「我以外は、みんな、私の師匠だ」という意味ですね。
世の中の森羅万象、すべてから学ぶことがあるという謙虚な姿勢。
素晴らしい名言です。
ちなみに、
- 我以外皆我師也(なり)
- 吾以外皆吾師
と書かれる場合もあります。
我以外皆我師って誰の言葉?
この「我以外皆我師」って、誰の言葉なのでしょうか?
我以外皆我師とは、有名作家・吉川英治さんの名言です。
吉川英治氏は、『宮本武蔵』『新平家物語』『新書太閤記』が代表作で、昭和35年には文化勲章を受章しています。
戦国時代の宮本武蔵の実際の言葉ではなく、『宮本武蔵』という作品で出てきた言葉。
吉川さんがオリジナルで作り、作中の登場人物に照らし合わせた「造語」なんです。
子ども時代は皆、学ぶ心があったはず
我以外皆我師という言葉の意味は、すぐにわかりますよね。
しかし、なかなか実践できるものではありません。特に大人は。
生きていく中で「経験値」を積んでいくと、
- 先を予想して見通せた気になる
- 何でも分かった気になってしまう
- 知識ばかりが蓄積される
- 自分より立場の弱い人を見下す
- 常識や固定観念で判断する
などなど、「周りから謙虚に学ぼう」という姿勢とは反対の姿勢が身についていくものです。
子どもの頃は、父親・母親だけでなく、先生や友人、そして自然、生き物、動物からも多くの刺激を受けて、学びを得ていたはずなのに。
人間は、0歳~3歳くらいまでが、一番学習意欲が高いのではないでしょうか。
その後は学校で「勉強」をしますが、「我以外皆我師」の境地からは、どんどん離れていく気がします…。
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宮本武蔵や豊臣秀吉の学ぶ姿勢
歴史上の偉人である武士・宮本武蔵。
彼は剣の奥義を究めるために、剣術以外にも色々なところから学びを得ます。
- 自然
- 動物
- 仏教
- 商人、役人
剣術とは関係なさそうな領域からも学びを得ようとし、実際に「剣道」を極めたとされます。
また、豊臣秀吉も「我以外皆我師」を実践した偉人として、吉川英治が描いています。
秀吉は貧しい農民の出身で、学問に費やす時間なんてありませんでした。
だからこそ、常に、接する人から必ず何か一つでも学び取るという習性を持っていたそうです。
織田信長のような立場の強いリーダーだけでなく、凡下でつまらなそうな人間からも、何か自分よりも秀でている部分を見つけて取り入れてきたそうです。
天下無双、天下統一を成し遂げた2人には、我以外皆我師という共通の「謙虚な学習意欲」があったのですね。
五輪書「万事に置いて我に師匠なし」とは違う?
我以外皆我師という言葉は、吉川英治さんが宮本武蔵に語らせた造語。
宮本武蔵の『五輪書』の中には、違う言葉が記されています。
「万事において我に師匠なし」
え、逆のこと言ってない?という気がしますが、実は同じような意味合いだと思われます。
師匠=絶対的な先生、だとすると、
何についても、ひとつの「絶対的な先生」がいるわけではない、ということ。
つまり、常に学ぶべき対象は無限にある、という意味で、我以外皆我師と同じニュアンス。
作家・吉川英治さんも、武蔵が残した名言をもとにして、我以外皆我師という至言を作り出したのだと思われます。
我以外皆我師の類語は、松下幸之助の名言?
我以外皆我師に似た言葉(類語)に、経営の神様・松下幸之助の名言があります。
「学ぶ心さえあれば、万物すべてこれ我が師である」
ちょっと現代語っぽくなりましたね。
意味は完全に同じです。
- 会社の部下にも
- 取引先のお偉いさんにも
- 掃除係のおばさんにも
- お客様にも
- ライバル会社にも
いつも同じような本気の姿勢で向き合っていたとされる松下幸之助さん。
宮本武蔵や豊臣秀吉のように、
どんな人からも、どんなことからも、学びを得ようとしていたに違いありません。
そりゃ、普通の人の何倍も成長しますよね。
茂木健一郎「自分の正体を決めつけるな」
さらに独自の考えをプラスします。
私は読書が好きで、特に脳科学者・茂木健一郎さんの本を読みます。
その中で茂木さんが「自分の正体を決めつけるな」と言っていました。
自分の性格や能力にレッテルを貼ってしまうと、それが限界になる。
自分の考えに反することや、一見価値がなさそうなことも、吸収すべきことがないか確認してみる。
アウェー戦をあえて戦いなさい、とも言います。
スポンジのように吸収を続けた人は、ダイナミックレンジの広い魅力的な脳を持つことができるということです。
我以外皆我師という言葉を考えた時に、茂木さんの本のことも思い出したので記しておきます。
【まとめ】我以外皆我師とは?→吉川英治の造語
今回のブログ記事では、我以外皆我師という吉川英治の名言について解説してきました。
簡単にまとめると、
- 読み方は「われいがいみなわがし」
- 吾以外皆吾師
- 作家、吉川英治がつくった言葉
- 『宮本武蔵』という作中で使われた
- 子どもの頃は学ぶ心があるのに、次第に忘れていく
といった内容でしたね。
幼少期は、誰もが「我以外皆我師」を実践し、毎日が刺激ばかりで学びにあふれています。
いつしか社会の波にもまれ、学ぶ心を忘れて、他人を非難したり、知ったかぶりをしたり…つまらない大人になってしまうのです。
自分の正体を固定化させ、毎日の生活の中で何も学んでいかないのであれば、その人の成長はそこでストップしてしまいます。
大人に成長なんてある?とか思っている大人が多いから、日本の未来は暗いんです。
子どもも大人も、毎日何かしらを学習し、成長していけば、右肩上がり間違いなしなのに。
私も、変に知ったかぶりをせず、我以外皆我師の心を忘れずに過ごしたいと思います。
ちなみに先日、東京都青梅市の「吉川英治記念館」に行ってきましたが、素敵なところでしたよ。
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