フィリピン・セブ島

【ラプラプ王】マゼランを倒したフィリピンの英雄は島・市・魚の名前に【セブの世界史】

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フィリピン・セブには「ラプラプ市」「ラプラプ島」という名前の地名があります。

フィリピン近海で捕獲され、焼き魚などの料理にされる大きな高級魚を「ラプラプ」と呼びます。

 

これらの名前の由来は、宣教師マゼランと戦い、セブ島の国土を守った英雄「ラプラプ王(Lapu-Lapu)」から来ているのをご存知でしょうか?

 

キリスト教を広めるために世界一周した航海士・宣教師「マゼラン」は、フィリピンの島々をカトリックにするべく、武力を使いながら乗り込んできます。

しかし、ラプラプ王は国を守るためにマゼランと戦い、勝利をおさめます!

 

フィリピンを守ったヒーローとして、ラプラプシティという町の名前になったり、魚の王様とも呼ばれるラプラプという高級魚の名前になったり、ラプラプ像という巨大な銅像ができたり、国民的英雄として世界史にも名前を刻みました。

 

このブログ記事では、そんなラプラプ王について情報をまとめ、留学生・旅行者にもわかりやすく紹介します。

フィリピン・セブ島の英雄「ラプラプ王」とは?@世界史

ラプラプとは。フィリピン・セブ島の英雄の名前です。

上の写真は私が撮影してきたラプラプ像。

 

世界史を語るうえで欠かせない「マゼラン」と戦い、東南アジア人として初めて、ヨーロッパ人に勝利したと言われています。

ラプラプ王、かっこいいですね。もう少し世界史を詳しく見てみましょう。

 

16世紀は1521年、世界一周航海の途中でフィリピンへ立ち寄ったマゼラン軍は、

時には武力を使いながら、スペイン王への朝貢・キリスト教への改宗・服従を求めてきました。

 

当時のフィリピンはイスラム教徒が多かったのですが、キリスト教の強さを恐れ、服従する部族が後を絶ちませんでした。

 

マゼランとラプラプの関係は…亀裂!

しかし、セブ・マクタン島の領主ラプラプは、マゼランの要求を拒否。

服従しませんでした。

 

怒ったマゼランは、火器・大砲・火縄銃などの兵器を用いて、戦いを挑んできます。

 

ラプラプは、武力では敵わないと考え、綿密な情報収集の上、今の「マクタンシュライン」がある遠浅を戦場にしました。

決戦当日は潮が引いており、スペイン軍艦は浅瀬で進めず、大砲が無力化されたのです。

 

マゼランが殺された島はセブ島/倒したのはラプラプ!

こうして水上戦に持ち込んだラプラプは、重い鎧で動きにくいマゼラン軍の足を狙い、頭脳的戦略をもって勝利をおさめます。

 

マゼランは、このマクタン島の戦いで命を落としてしまいます。

世界史に名をとどろかせる宣教師のマゼランは、フィリピンの英雄ラプラプに倒されました。

 

英雄ラプラプの勝利。だがフィリピンはキリスト教国家に…

見事、マゼランを倒した英雄ラプラプ。

しかし、植民地政策を進めるスペイン軍は、本気を出してきます。。。

 

約40年に渡り、セブ島などを攻め続け、1565年についにフィリピンはスペインの植民地となってしまいます。

 

フィリピンという国名ですが、当時のスペイン皇太子「フェリペ」から由来しています。

フェリペの島々という意味で「フィリピン」。

独立時に国名を変えればよかったのに・・・

 

マゼラン没後:フィリピンのスペイン統治が続く

それ以来、アメリカの植民地となる1898年までスペイン統治が続きます。

この間にキリスト教も広まり、フィリピンは仏教ではなく、キリスト教国家になります。

 

その後、米西戦争ののち、フィリピンは2000万ドルでアメリカに売られ、アメリカ統治が始まります。

ついに独立したのは1946年。めっちゃ最近ですね!!!

 

世界史、勉強したはずなのに…ぜんぶ忘れてます><

 

ラプラプ→魚や市町村の名前に

フィリピンの英雄「ラプラプ」ですが、影響力がすごいです。

 

マクタン島には「ラプラプ市」「ラプラプシティ」という名前のエリアがあります。

ラプラプシティはどこかというと、、、

地図でご覧の通り、フィリピン旅行・英語留学でも拠点になるセブのマクタン島は、ほとんどがラプラプ市です。

 

リゾートホテルが並び、オーシャンビューの客室が人気のエリアです。

セブ・マクタン国際空港もあります^^

▶【セブ】出国税・空港使用料2018。現金750ペソ必要!マニラ経由は不要【フィリピン】

 

ラプラプという高級魚まで

また、東南アジアを代表する魚のオオ様・高級魚にも「ラプラプ」という名前が付いています。

これが、フィリピン料理で魚の王様と呼ばれる「ラプラプ」です。

 

大きな魚で、何10キロになることもある高級魚。

ホテルシャングリラで、「ラプラプのしょうが煮つけ」という料理を食べましたが、クセがなくておいしかったです^^

 

日本で言うと、ハタ・クエの仲間として考えるといいようです。

 

英雄として、地名や魚の名前になるラプラプ。

フィリピン人に愛されている偉人ですね。

日本でいうと誰になるのでしょうか?坂本龍馬?

 

ラプラプ王とマゼラン記念碑=マクタンシュライン

フィリピン・セブ島には「マクタンシュライン」という観光スポットがあり、

そこにはラプラプ像とマゼラン記念碑があります。

▶【セブ】マクタンシュラインでラプラプ像&お土産&フィッシュマーケット観光

 

この公園は、まさにラプラプがマゼラン軍を迎え撃った場所なんだとか。

高さ数メートルはある、巨大なラプラプ銅像は、今日もセブ島の海のかなたを見守っています。

 

ちなみに、引き潮の時に浅瀬におびき寄せ、劇的勝利をおさめた戦地ですが、ここにはマゼランも祭られています。

 

ラプラプとマゼランが共に祭られているは、なんか複雑なような。。。

英雄としてマゼラン・キリスト教を追い払ったラプラプは、その後カトリックになったフィリピンをどう見ているのでしょうか。

 

ラプラプ王とは…マゼランを倒した英雄!魚の名前にも(まとめ)

今回のブログ記事では、ラプラプ王とマゼランの関係を中心に、フィリピンの世界史を解説してきました。

 

ラプラプ王は、フィリピン・セブ・マクタン島の領主で、スペインから世界一周航海をしていたマゼランに反抗し、キリスト教と戦った英雄です。

 

世界史の授業では「マゼランすげ~冒険家だ~キリスト布教だ~」とか思っただけでしたが、

フィリピンに行くことで初めて歴史・伝説に触れることができました。

 

そしてラプラプが大好きになりました。

強い権力に屈したりせず、自分の故郷を守るため、周囲の協力を得て戦う姿勢に憧れます…。

兵器の力には勝てないことを冷静に判断し、潮の満ち引きを読んでおびき寄せた頭脳的戦術もかっこいいですね!!

 

英雄として、いまでもフィリピン人の心の中に。

ラプラプのシューズケースをお土産に。私もラプラプのように力強く生きたいです。

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