人に合わせて性格が変わることって、ありますよね。
周りの人や環境に合わせて態度が変わりすぎると、「本当の自分って何だろう…」と悩みになってくることも。
- 人に合わせて性格が変わる…心の悩み多い
- 人によって態度を変えるのは悪いこと?
- 多重人格などの病気なのでは?
- 無意識に性格を変えてしまうのを、やめたい
このような情報を、ブログ記事にまとめました。
結論としては、人に合わせて性格や態度が変わるのは自然な「脳のパターン切り替え」で、誰にでもある普通の状態です。
しかし、他人に合わせすぎて自分の価値観と大きく違う言動をしていると、ストレスが溜まって心理的な問題症状に繋がってくることもあります。
今回のブログ記事では、他人に合わせて性格・態度が変わることの仕組みと、どのくらいまでが許容範囲なのかを考察していきます。
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▶【怖い】ストレスで性格変わる?鬱で急に性格が悪くなる【病気かも】
【悩み】人に合わせて性格が変わる…態度を無意識に変えてしまう…
心理カウンセラーの勉強をしているときに、自分にも心当たりがあった悩みです。
- 人に合わせて性格が変わる
- 人によって無意識に態度を変える
- 環境によって全然違うキャラクターを演じている
こういうことで悩む人は多いです。
もう少し踏み込むと「本当の自分が分からない」「自分の言動にいつも違和感がある」といった悩みになってきます。
キャラクターの使い分け、演じ分け?
私自身、自分という人格の中に複数のキャラクターがいて、人によって使い分けているのかな…と思うフシがあります。
例えば、明るい友人と一緒にいるときは明るく振舞います。
ギャグや冗談を言ってみたり。
少し羽目をはずして、ハイテンションでふざけてみたり。
でも真面目で知的な友人と一緒にいるときは、ふざけたりしません。
冷静に大人っぽい話をしてみたり。
これって演じ分けで、「ハッキリとした本当の自分がいない」ということなのでしょうか?
【結論】人によって性格や態度を変えるのは病気じゃない
この記事の大事な結論です。
人によって性格や態度を変えるのは、普通です。病気ではありません。
脳のパターン切り替えであり、誰にでもある自然なことです。
人によって性格が変わるって、よく言えば「臨機応変」「思いやり」「TPOのわきまえ」です。
他人や環境に合わせて、自分の振る舞いを調整できるのは、良いことです。
脳科学者の茂木健一郎先生が言っていることですし、
心理学的にも「環境適応」として、人間として当然のふるまいだと思われます。
分かりやすい具体例を紹介してみますね。
赤ちゃんやペットに話す時って、優しくならない?
例えば、言葉がしゃべれない赤ちゃんに話しかけるとき。
「あら~可愛いね~」というように、なりませんか?
「おお~元気だね~」とか。
「赤ちゃん言葉」とも呼ばれますが、これって意識的にやっているわけではないと思います。
自然に、無意識的に、なぜか優しくゆっくりと、笑顔で話しかける人が多い。
これは脳が「赤ちゃんモード」に自動的に切り替わって、その相手に合わせた態度にしているのです。
ペットに話しかけるときも、赤ちゃん言葉になってしまう時があります。
カタコトの日本語で外国人に話しかけられたら?
もうひとつ具体例。
町中を歩いていて、外国人にカタコトの日本語で話しかけられたときは?
「スミマセン。トウキョウ駅、ドコデスカ?」
ゆっくり、丁寧に、ジェスチャーも交えて、
「あそこ、右。スリーミニッツくらいで、東京駅。」とか答えるでしょう(ちょっと変か?)。
これも無意識な態度の切り替えですよね。
相手の人はもしかしたら、ヒアリングは抜群に上手で、普通に日本語で説明しても通じるかもしれません。
でも脳が勝手に「外国人用の説明」というモードに切り替えて、瞬時にそのような場面に合った振る舞いをさせているのです。
以上2つの例からもわかる通り、
人や環境に合わせて態度を変えるのは「思いやり」「臨機応変」「TPOに合わせた言動」という側面が大きいのです。
でも、やはり何事も「行き過ぎ」には注意。
もう少し心配な症状もあるようです。
人に合わせすぎて疲れる/ストレス→無理しすぎ
人に合わせて性格を変えるのは当然の適応なのですが、やはり「合わせすぎ」てしまうと、心理的な負担になってきます。
- 後から振り返ってぐったり疲れる
- 人との会話がいつもストレス
- 自分の言動にいつも違和感を感じる
- やりたくないキャラを無理に演じている
このような状態だと、コミュニケーションすればするほど、ストレスが溜まってしまいます。
おどかすようなことを言いたくありませんが、
多重人格、離人症、うつ病、適応障害、パニック障害など、精神的な病気になっていく可能性もあるのです。
もちろん、この辺りは個人差がありますし、明確なストレスのさじ加減があるわけではありません。
一般論としてまとめるのは難しいのですが、
「人に合わせている自分を認めつつ、自分の価値観を捻じ曲げる言動をしていないか」が大事なのかもしれません。
前述の通り、人によって性格や態度が変わるのは自然なこと。
しかし、合わせすぎるあまり、自分が本当はやりたくないことをしたり、言いたくないことを言ったりしていないか、注意してみるといいかもしれません。
本当の自分なんて、いない
悩みを抱えている人の中には「本当の自分が分からない」という人がいます。
しかし、本当の自分って何でしょうか?
そんなものはもともと、ないのではないでしょうか?
明るくて元気で面白いのが「本当の自分」…本当に?
思慮深くて真面目で引っ込み思案なのが「本当の自分」…本当に?
自分の性格や態度は、一生不変?
違うと思います。細胞だって生まれ変わってるのに。
結局、生まれてから(3歳くらいから?)現在までの一貫した「記憶」だけが、自分という存在の証拠なのだと思います。
しいて言えば、人に合わせて性格を変えている自分を認識している、その「記憶」や「視点」こそが自分なのでしょう。
ちょっと仏教のような感じがしますが、結局はその場その場の積み重ねこそが「自分自身」なのかもしれないな、と思います。
▶【因果応報】ブーメランの法則とは→やったことは返ってくる?
意識的な八方美人は?…末路は嫌われてしまうかも
さて、少し話を変えてみます。
これまでは「無意識的な」性格変化について考えてきました。
その一方で「意図的に、わざと、自分の利益のために、態度を変える人」もいますよね。
- 上司にはペコペコ、部下には冷たい
- 女の子だけには優しい男性
- 男の子だけには甘える女性
- 先生の前でだけ優等生
とか。
このような人は「八方美人」と呼ばれますが、正直「八方美人」って言葉自体が少しネガティブな意味合いが込められてますよね。
つまり、本当には「八方」には美人デキてないんです。
いくら人や環境によって意識的に性格や態度を変えてみても、見てる人は見てるし、感じる人は感じる。
「あっ、この人、嘘くさいな」って。
そういう人の末路は、ちょっと悲しいかもしれません。
せっかく太鼓持ちを頑張ってたのに嫌われたり、モテようと思ってたのにフラれたり、優等生だと思われたかったのに仲間外れにされたり…。
演技で人と接している人は、本音が見えないので。
それなりに人気者になる可能性はありますが、心の奥底から繋がりあえる人に巡り合えるといいなと思います。
人によって態度を変えるのをやめたいなら?
ここまで考えたうえで、人によって態度を変えるのをやめたい場合は、どうすればいいでしょうか?
結論としては、
自分に自信を持って、あえていつもと違う雰囲気で接してみる、のはいい方法だと思います。
そもそも、周りを見て態度を変えているのは、悪く思われるのが不安だったり、自分をよりよく見せたいからでしょう。
平たく言えば、「自信がない」わけです。
意識的に「演技」をして自分を隠さないと嫌われるのではないか…と内心で自信がないんだと思います。
そこで、どうすればいいのかと言うと、
あえて普段とは違う雰囲気で接してみるのです。
上司に太鼓持ちしている人なら、ちょっとピリッと自分の意見を言ってみる、とか。
その結果、別に嫌われることはないと分かれば自信になります。
色々な方面で少しずつ演技をなくして、自然な自分を出せるようになれば、きっと自分にあった人が身の回りに集まってきますよ。
【まとめ】人や環境に合わせて性格・態度を変えるのは病気ではない
今回のブログ記事では、人に合わせて性格が変わる…人によって態度を変える…などの悩みに対して、心理セラピー的な側面から考えてきました。
要点をまとめると、以下の通り。
- 人によって態度を変えるのはよくある自然なこと
- 脳のモード切替えで、人間らしい振る舞い
- 思いやり、臨機応変、TPOに合わせられるという証拠
- しかし過度にストレスを感じるようだと病気、問題に…
- 意識的に態度を変える人の末路は嫌われてしまう…
いかがだったでしょうか?
私自身も、友人の中での自分と、家族の中での自分が180度違っていて、悩んでいた時期がありました。
しかし、これは人間の適応力がなせる「自然なモード切替」だったのです。
あるところでは元気、あるところでは内気、これで全然OKなのです。
そう思うと気持ちがラクになるし、
逆に、「無理して合わせすぎてたかな」と思えるようになったりもします。
少し要点がまとまりきらなかったような感じもしますので、
もしも質問や相談がありましたら、お気軽にお問い合わせください。
心理セラピーの勉強をしてきましたので、少しでもお役に立てれば幸いです。
※アドラー心理学の本も役に立ちます。ベストセラーにもなりましたね。