世界で愛されている違法行為…「花ゲリラ」って言葉を知ってますか?
- 花ゲリラ・ゲリラガーデナーとは?
- 公園や河川敷に勝手に花を植えるのは犯罪?
- 種をまくだけでも違法行為になる?
- 景観が良くなるが外来種が増える…その功罪
これらの情報を、ブログ記事にまとめました。
結論としては、「花ゲリラ」とは公園や河川敷などの公共の場所に、許可なく勝手に花を植えたり、種をまいたりする違法行為のこと。
都市公園法、器物損壊など、法律的には違法なのですが、荒れた空き地が花畑になると、周辺住民は景観的に喜びます。
イギリスなどでは「愛される違法行為」と言われ、社会運動の様相も呈しているそうです。
今回のブログ記事では、河川敷を畑にしたり、講演を花畑にしたりする「花ゲリラ」について、解説していきます。
公園や河川敷に勝手に花を植えたり、種をまいたり、植樹したり…
公園や空地、河川敷や河原、街路樹の根元など、土のある場所に勝手に花を植える行為が世界中で広まっています。
- 花ゲリラ
- ゲリラ・ガーデナー
- 花テロリスト
などと呼ばれ、2008年には「花ゲリラ」という映画も制作されました。
ゲリラガーデナーは、私有地ではなく、公共の土地に花を植えたり、植樹したり、種をまいたり、畑を作ったりします。
自己都合による勝手さから「ゲリラ」と呼ばれるのでしょう。
景観をよくする目的の人もいれば、ただ単純に他人の敷地に嫌がらせで種をまいていく迷惑目的の人もいるんだとか。困ったものです。
イギリスでは社会運動になり組織もできている
ガーデニング先進国と言えば、イギリス(イングランド)ですよね。
イギリスでは空地となった場所に、ゲリラガーデニングが行われ、花畑になっている場所が多いようです。
その規模は「ちょっと花を植えてみました」レベルではなく、立派な都市公園のような見ごたえのある景観。すごい。ハッキリ言って、キレイです。
違法行為でありながら、社会運動にもなっていて、周辺住民からの「応援の声」も花ゲリラを後押ししています。
【違法・犯罪?】花ゲリラは何の罪になるのか?
公園に勝手に花を植える「花ゲリラ行為」は、法律的には違法。
- 都市公園法
- 河川法
- 外来生物法
- 不法侵入
- 器物破損
などの法律を破る行為になる可能性があります。
しかしながら、弁護士の見解としては「公園や河川の管理者との話し合いの範囲を超えた場合でなければ、犯罪が成立する可能性は低い」というものでした。
簡単に言ってしまえば、「所有者や管理者や周辺の住民に迷惑をかけていなければ、常識の範囲内で許容されるでしょう」という曖昧な感じ?
ただし、あまりにも悪質な花ゲリラには警察も動き、実際に、過去に逮捕者も出ているそうです。
商業目的、生産目的はアウトか
花ゲリラの中でも悪質なのは、自分専用の畑のようにしてしまうこと。
バジルやミントや野菜などを勝手に育てて収穫したり、それを販売したりすると、一気に悪質度が高まります。
河川敷を、ホームレスが自分の畑のように利用している姿も見られますね。
花ゲリラの社会問題性とボランティア性
花ゲリラはイギリスだけでなく、世界中で問題になっているようです。
植物の種をまいて立ち去るだけという行為の気軽さに加えて、もしも芽が育って花になれば、景観が良くなるという「好影響」も大きいため、応援する人がいるんです。
個人的にも、国や市や自治会に見捨てられて放置された土地が「生態系を壊さない範囲で」「迷惑でなく」「きれいに」なるのであれば、良い取り組みのようにも思ってしまいます。
花ゲリラの言い分「ただの荒れ地よりも景観が良くなる」
花ゲリラの言い分には、納得感があります。
ただ単に荒れ果てた、何の活用もされない空地が、誰にも迷惑をかけないで花畑になるのであれば、それは良いボランティアのような活動にも見えます。
- みんなにとっても悪いことじゃない
- 景観が良くなるんだから、感謝してほしいくらい
- 荒れ地に花を咲かせましょう、だよ
- いずれ観光名所になったりするかも
花ゲリラの言い分を好意的に受け止める人が多いのも理解できます。
しかし、罪になるかどうかは別として、批判や注意点もあります。
花ゲリラは地方公共団体の機能不全&自己中人間という問題を抱えている
花ゲリラを「問題だ」と考える人の意見としては、「地方公共団体の機能不全の証拠」とか「自己中心的な人間の行為だ」というものがあります。
確かに、荒れ果てたまま手入れされない土地があること自体が、住民と地方公共団体の意見交換が円滑でないことの証拠になっています。
適切な対応策や予算がとられないことに対する、住民側の反抗・抵抗運動なのかもしれませんね。
そして「市町村に何を言ってもダメだ。自分でやろう」という考え方は、自己中心的な行動です。
自分の土地じゃない時点で、花を植える権利はないのですからね。
さらに言うと、植物や樹木の種類や特徴に詳しくない初心者が花ゲリラをすると、将来的に問題になるかもしれません。
例えば、繁殖力が高くて一旦成長すると駆除が難しくなる「クズ」や「スギナ」。
竹やササは根を張り巡らせて広がり、建物の床を突き破るようにして伸びあがってくるリスクもある。
外来種が増えて在来種が弱ってしまう可能性もあり、なかなか素人が公共地のガーデニングをするのは危険なのかもしれません。
【体験談】子どもの頃に花ゲリラを無意識にやっていた…
ごめんなさい。
私自身、子供時代のことを振り返って、無意識に「花ゲリラ」の経験者になっていたのを思い出しました。
公民館で「ひまわりの種」をもらったのですが、自宅には植える場所がない。
そこで、近所の河原に種をまいて、水をあげてみたんですよね。
土壌が悪かったのか、そのひまわりの種は発芽せず、私の「花ゲリラ」は失敗に終わったわけですが…。
【まとめ】公園に勝手に花を植える「花ゲリラ」は自己中でなく他者貢献になっているか?
今回のブログ記事では、世界の一部で話題になっている「花ゲリラ」「ゲリラガーデニング」について、情報をまとめてみました。
要点は、以下の通り。
- 公園や河川敷に勝手に花を植える行為がある
- 種をまく、植樹するなど、全て違法行為
- 花ゲリラ、ゲリラガーデニング、花テロリストと呼ばれる
- 景観が良くなるボランティア的側面と、社会問題的側面がある
- 法律的には違反しているが、事件性は低い
自分の身の回りには「花ゲリラ」の現場がありません。
しかし、例えば宮崎県にある「椎野あじさいロード」は、もともと近隣住民の花ゲリラが始まりなんだそうです。
違法だから根絶しろ!という行為ではありません。
人間だれしも、荒れ地よりも花畑の方が好きですからね。
しかし、常識を超えた個人利用や、外来生物を拡大させる迷惑ガーデニングには注意してほしいところ。
もしも読者の皆さんの近所に花ゲリラの現場があったら、コメントくださるとありがたいです!